マスクによるコミュニケーション障害が心配

COVID-19

和田秀樹先生が著書「マスクを外す日のために」の中で、マスクによるコミュニケーションを心配されているが、わたしも同感だ。日本人は同調圧力が強すぎると思う。戦前と同じだ。何も変わってない。

しかも、この本はちょうど2年前の発売です。
*発売日 ‏ : ‎ 2022/5/25

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和田秀樹著「マスクを外す日のために」 18~23ページ

マスクの最大のデメリットは「人の表情が読めなくなる」こと

本書では、以上のようなマスクのデメリットを「マスク禍」と総称しますが、ここで、少々視点を変えて、精神科医の立場から、あまり語られることのないマスク禍」について、お話ししたいと思います。

それは「人の表情が読めなくなる」ことです。

欧米の人々があれほどマスクを嫌うのは、「相手の表情を見ながら、コミュニケーションをとる」という人間の基本的な行動が失われることが、動機の一つになっています。それもあって、アメリカやイギリスでは、ワクチン接種が一定程度進んだところで、マスク着用義務が段階的に解除されました。一方、わが国では、ワクチン接種率が欧米を超えても、依然、マスクを外せない生活が続いています。このまま、ずっとマスクをつけ続けていると、どうなるか—–おそらく、微妙なコミュニケーション能力が失われていくと思います。

例をあげると、私たちは、コロナ禍以前のマスクをしていない頃、相手の「作り笑い」を表情から見抜いてきました。

人間は、本当におかしいと思って笑うときには、まず口が笑い出し、続いて目が笑います。目と目の動きには若干のタイムラグがあるのです。一方、作り笑いでは、囗と目が同時に笑いはじめる。意図的に笑顔をつくろうとすると、目と目が同時に動いてしまうのです。

私たちは、その口と目の微妙な動きから作り笑いを見抜く能力を養ってきました。そうして、広い意味での生存戦略にも役立ててきたわけですが、マスクで囗もとが隠されると、その能力を発揮できなくなります。

また、私たちは、相手のさまざまな気持ちの動きも、囗もとの様子から読み取ってきました。たとえば、相手の機嫌の良し悪しは、囗の両端の角度に現れます。たとえば、相不がこちらの話を聞いて、楽しく思っているときには、口角(目の両端)が上がり、つまらないと感じているときには下がります。私たちは、その口角の上下を見て、自分の話がウケているかどうかを確認していたのです。マスク姿の相手には、この能力も発揮できません。

また、鼻も、表情を読み取るのに垂要な部位です。日本語には「鼻の穴をふくらませる」「小鼻をうごめかす」「鼻高々」など、「鼻」を使った慣用句が多数ありますが、それも、私たちが鼻の微妙な動きから感情を読み取ってきたことの証左といえます。マスクをつけると、その「鼻」も覆ってしまうことになるのです。

というように、私たちは、互いに表情を読み合うという技術を使って、円満々社会関係を築いてきたのですが、マスクをしていると、その技術を活用することができないのです。

いうまでもないことですが、人間は一人では生きられません。孤島に流されたロビンソンークルーソーだって、フライデーと表情を読み合っていたはずです。相手の表情を読む力は、社会を円滑に維持するためにも、重要な技術なのです。

今後さらにマスクをつける時代が続けば、日本人の表情を読む力は確実に衰えていくでしょう。それは、日本人のコミュニケーション能力を落とし、ひいては一人ひとりの感情状態を悪化させ、孤立を招きます。極端にいえば、「拡大自殺」のような犯罪の遠囚にもなるとも考えられます。

自粛生活の最大の被害者は?-―-それは子供たちです

とりわけ、この「マスクと表情」問題で、私が心配しているのは、母親の笑顔を満足に見たことのない子供たちの将来です。

かつて、こんなことが起きました。第2次世界大戦中、イギリスでは、ドイツ軍による毒ガス攻撃を恐れ、国民の多くがガスマスクをつけていました。若い母親も例外ではなく、当時の赤ん坊たちは、ガスマスクをつけた母親に育てられたのです。

すると、その20~30年後に何か起きたか—-イギリスのいわゆる風俗産業で、ガスマスクをつけた女性とのプレイを好む男性が急増したのです。

彼らは、人生の最初の時期、自分を無条件に愛してくれた女性の表情、つまりガスマスクをつけた母親の顔を、性的行為の対象となる女性にも求めたのです。

さて、今、4歳の子供は、人生の半分以上をマスクをつけて過ごしてきたことになります。8鐡の子供でも、物心ついてからの半分の期洲はマスクをしていたことになります。私は幼児教育にも携わってきましたが、人生のほぼスタート地点からマスクをしている子供たちが、これからどのように育っていくのか、本当に心配しています。

すでにこの2年間、子供たちには、いろいろな変化が現れています。

たとえば、いわゆる同調圧力の問題があります。そもそも、子供は大人以上に、同調圧力に弱い存在です。近年、注目されている「進化心理学」では、「ヒトは、群れから離れると、生きていくことができないため、同調圧力に弱くなった」とも考えるのですが、子供はその傾向がさらに強いのです。

文明社会の訪れる前、子供は群れから外れると、ほぼ確実に命を落としたため、仲間はずれを極端に恐れるように進化してきたのです。むろん、同調圧力に弱いほど、マスクをするしないなどをめぐるプレッシャーからのストレスは大きくなります。

また、休校や学級閉鎖などが繰り返される影響で、生活リズムが崩れ、心身に変調を来している子供が増えています。「おなかが痛い」「頭が痛い」と訴える子供、あるいは、不安になりやすい子、落ち着きがなくなる子が多くなっているのです。

むろん、自宅にいる時間が長くなれば、ネットやゲームへの依存も進みます。外に出て遊べなくなり、自宅で過ごす時間が長くなると、食欲不振も進みます。国立成育医療研究センターの調査では、2020年度、神経性やせ症の外来患者数が前年比60%も増えたといいます。同症は、思春期に多い症状ですが、おそらくは人とのコミュニケーション不足によって外見へのこだわりが強まり過ぎたことから、それだけ食欲不振に陥っている子供が多いのです。

また、もともと学校が苦手な子供の場合、学校が再開し、新たな登校日を迎えたときに、抑うつ的な傾向が高まる恐れがあります。翌日に新学期がはじまる夏休み最後の日に、子供の自殺が増える「8月31日問題」の存在は知られていますが、休校と開校の繰り返しは、そうした。“悲しい節目”の頻度を増やすことにもつながりかねません。

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こんな本書いてるのは和田先生だけかと思ったら、明和政子(みょうわ まさこ)・京都大学教授もこんな本を出しておられました。他の教育学者・心理学者は何も感じないんでしょうか?この本も読んでみようと思います。

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