R0(R-naught, アールノート, 基本再生産数)に関する議論
2022.2.12
この論文によれば、麻疹のR0(アールノート)は、報告によって5.4–18であったり、3.7–203.3であったりするようです。まさにoverdispertion(過分散)ですね。
「よく見かける麻疹の R0 12–18というのは、 1912–1928年 の間に米国で得られたデータである。1944–1979 年におけるイングランド・ウェールズのデータではR0 は 13.7–18.0)である」と書かれています。
百日咳はCDC隔離予防策のガイドラインでは飛沫感染になっています。D=droplet precaution
The Union=INTERNATIONAL UNION AGAINST TUBERCULOSIS AND LUNG DISEASE(国際結核肺疾患予防連合)
結核は空気感染ですが、R0は小さいです。このことからR0と感染経路は必ずしも相関しないことが分かります。(向野)
ウイルスの感染力を表す指標の一つに基本再生産数(R0)があります。全員が免疫を持っていない集団で、一人の人から平均何人の人に二次感染が起こるかを示すものです。SARS-CoV-2 の R0 は当初 2~3 と計算されていました。 デルタ株の R0 は 7~8と最近米国 CDC から報告がありました。水痘-帯状疱疹ウイルスとほぼ同じ感染力で す。水痘-帯状疱疹ウイルスは同じ部屋に居るだけでも感染する強い感染力を持っています。デルタ株も同様と考えられます。