A水痘帯状疱疹ウイルス  Varicella Zoster Virus(VZV)

VZVは人に感染して、水痘を引き起こす(初感染)。治癒後潜伏感染し、帯状疱疹として回帰発症する。

1)水痘(みずぼうそう、水疱瘡 Varicella、chickenpox)

[感染源]患者の鼻腔粘液、水泡内容

[感染経路] 空気および接触感染(麻疹に次いで感染力がある) 5〜9歳に多い。90%以下は10歳以下。

潜伏期:11〜21日

症状:発疹は顔に始まり、有髪頭部にも出現。躯幹・四肢に広がる。

発疹→はじめは小さい紅疹。数時間で丘疹、水泡にかわる。 痂皮の脱落まで1〜2週間かかる(すべての発疹が痂皮となれば、他人に伝染することはない)。

(痂皮:表皮組織に発生した小水疱、水疱あるいは膿疱が炎症をきたして破れ、壊死塊またははびらん面の分泌物が凝固して一時的に表面を覆ったもの。)  

発熱は発疹の出現する最初の3〜4日のみ認めることが多い。 新旧種々の段階の発疹像が混在する。    

*終生免疫を獲得し、一度水痘にかかれば免疫ができて二度とかかることはない。しかし、回帰発症があり、それが次に述べる帯状疱疹である。

[合併症]髄膜炎、脳炎、神経炎、肺炎。催奇形性あり。

[治療]対症療法。アシクロビル

*免疫抑制剤投与中に発疹する水痘は重症化しやすく(出血性発疹)、死亡率が高い。

[予防]水痘ワクチン:VZVに対する細胞性免疫の増強 接触3日以内に本ワクチンを投与すると、発症が予防できる。

ウイルスの潜伏感染の予防も期待できる。 回帰発症である帯状疱疹を発現する危険性も減少する。

2)帯状疱疹 Herpes zoster

[感染源] 水痘治癒後に脊髄知覚神経節に潜伏感染したVSVが回帰発症。

*老齢、免疫抑制剤の使用等、細胞性免疫の低下によって再活性化、発症。 (発症年齢は10歳以上)

[定着増殖部位]支配神経領域に限局した皮疹を形成。

[症状]紅量を有する卵形の丘疹で始まり、12〜24時間以内に小水泡となる。約1週間で痂皮形成、2〜3週間で色素沈着を残して治癒。 発疹は通常片側性。IgG, IgM抗体価は上昇する。  

[治療]対症療法。2〜3週間で治癒。アシクロビル、ビダラビン(Ara-A)が有効。

[ヘルペス後神経痛postherpetic neuralgia] 帯状疱疹の後遺症として,三叉神経第 1 枝や肋間神経に生ずる。 痛みは持続性で刺すように鋭く,鎮痛剤やカルバマゼピンなどの抗痙攣剤の内服または神経ブロックが行われるが, 難治性で,ときには 1 年以上も続くことがある。

(拡大図)