A.気管内吸引チューブは無菌であるべきです。したがって、気管内吸引チューブは使い捨てが望ましいといえます。
しかし、吸引回数が15回/日以上になる場合などでは、経済的理由から、気管内吸引チューブの。くり返し使用もやむをえません。
図1に示したような手順で繰り返し使用を行ってください。すなわち、
まず吸引チューブ外側をアルコールガーゼで清拭した後に、粘液などの除去のために滅菌水を吸引します。
そして、7〜8%エタノール添加のO.1%塩化ベンザルコニウム(オスバン、トリゾンなど)や7〜8%エタノール添加のO.1%クロルヘキシジン(ヒビテン、マスキンなど)へ浸漬しておきます。
使用前には、消毒薬のリンスのために滅菌水を吸引します。
なお、塩化ベンザルコニウム(オスバンなど)やクロルヘキシジン(ヒビテンなど)を単剤で、気管内吸引チューブの浸漬用消毒薬として用いると、微生物汚染が生じることがあります。痰などで汚れたこれらの消毒液中で、セパシア菌(Pseudmonas
cepacia)などが増殖してくるからです。したがって、気管内吸引チューブの浸漬用消毒薬としては7〜8%エタノール添加のO.1%塩化ベンザルコニウムなどを用いてください。7%エタノール添加0.1%塩化ベンザルコニウム製剤としてザルコニンA液O.1が市販されています。
![]() | 図1 気管内吸引チューブの消毒手順 A.粘液などの除去のために、滅菌水を吸引する B.消毒薬に浸漬する C.使用前に、消毒薬のリンスのために、滅菌水を吸引する |
A.0.5%クロルヘキシジン・消毒用エタノール(ヒビテン・アルコール、ベンクロジド・エタノール〉を、気管内吸引チューブの浸漬用消毒薬として用いてはなりません。なぜなら、もし使用前の滅菌水でリンス(図1のC)が行われなかった場合に、気管内吸引チューブに残存する本薬が気管粘膜を障害する可能性があるからです。同様に、消毒用工タノーノ、70%イソプロパノールおよびグルタラール(ステリハイド、サイデックスなど)なども、気管内吸引チューブの浸漬用消毒薬として用いてはなりません。.気管内吸引チューブの浸漬用消毒薬としては7%エタノール添加O.1%塩化ベンザルコニウム(ザルコニンA液O.1)などを用いてください。
気管内吸引チューブ浸漬用消毒薬の交換頻度は原則として1日1回としますが、
痰などの目に見える汚れの混入がなければ、3日に1回でも差し支えありません.
ただし、滅菌水の交換頻度は1日/回としてください。
A.100倍希釈ポピドンヨード(100倍希釈イソジン液)を気管内吸引チューブの消毒に用いても、抗薗力および毒性の面では問題ありません。
ただし、100倍希釈ポピドンヨード(100倍希釈イソジン液)は着色しているので、気管内吸引チューブ内をやや見えにくくする欠点があります。
この欠点が気にならなければ、本薬を使用してもよいでしょう。
なお、100倍希釈ポビドンヨードは、開放状態では分解が促進されるので、1日1回の交換としてください。
プラクティカル滅菌・消毒、メディカ出版