CDC隔離予防策のガイドライン2007から(勧告の一部)

原文http://www.cdc.gov/ncidod/dhqp/pdf/guidelines/Isolation2007.pdf

標準予防策

手洗い 

・手が目に見えて汚染したときは、普通石鹸+流水、あるいは抗菌石鹸+手洗いで洗う

・手が目に見えて汚染してないとき、あるいは汚染物質を普通石鹸+流水で洗ったあとは、アルコール製剤で洗う

a 患者に直接接触する前

b. 血液体液、粘膜、創部に触った後

c. 患者の皮膚に触った後

d. 同じ患者の汚染部位から清潔部位に移動するとき

e. 患者近傍の物品・器具に触った後

f. 手袋を外した後

 ・芽胞との接触後は、石鹸+流水で対応する。 アルコールなどは効かないので。

PPE

・PPEを外すとき、白衣や皮膚を汚さないようにする

・病室から出るとき、PPEを外し、廃棄する。

手袋 血液体液、粘膜、創部に触れるときは手袋を着用する
   ・患者と直接接触時にはexamination gloveを使用する
   ・環境や器具の清掃にはexamination gloveかutility gloveを使用する
   ・手を汚染しないように手袋を外す
   ・一人以上に使用しない
   ・同じ患者の汚染部位(肛門周囲など)から清潔部位(顔など)に移動するときは、
    手袋を替える。

ガウン 皮膚や白衣の汚染を防止するために、ガウンを着用する
   ・排液や排膿のある患者のケアのときにはガウンを着用する
   ・病室を出る前に、ガウンを外し、手洗いをする
   ・ガウンを再使用しない 同じ患者に対しても
   ・高リスク病棟に入るときに、ガウンのルーチン使用は必要ない

口、鼻、目の防御

・粘膜汚染を防止するために、適切なマスク、ゴーグル、フェイスシールドを着用する

・飛沫が発生する手技(気管支鏡、気管吸引など)を実施する場合(結核、SARS患者は除く)、フェイスシールド、あるいはマスク+ゴーグルを使用する

咳エチケット

・ 職員に対し、咳エチケットの教育をする。 とくにかぜの季節には。

・ とくに受付や待合室で、咳エチケットを実行する

・ 玄関、エレベーター、カフェテリアに咳エチケット(咳やくしゃみのときは口や鼻を手で覆う、できればティッシュを使用し、適切に廃棄する、手に付いたら手を洗う)のポスターを貼る

・ ティッシュ、ゴミ箱、手洗い器、アルコール製剤を備え付けておく

・ 風邪の季節には、咳する患者にマスクを与え、待合室では他の患者から1M離す

個室隔離

・ 他の人に病原体を伝播させるおそれのある人はできるだけ個室に入れる

患者用器具

・ 侵襲的・半侵襲的器具は、消毒滅菌の前に、有機物をしっかり洗い落とす

・ 血液体液などで汚染した器具を操作するときは、PPE(ガウンや手袋)を着用する

環境管理

・ 病原体で汚染したと思われる環境表面は清掃・消毒する 患者近傍(ベッド柵やサイドテーブル)、頻繁に触った箇所(ドアノブ、トイレの周辺)

・ 適切な消毒剤を使用する

・ 子供用玩具について
簡単に洗え、消毒できる玩具を選ぶ。毛皮でくるまれたような玩具は共用できない。
大型の固定玩具は週1回か汚れたときに洗う。玩具が口に入ったときは、消毒後水洗いする。洗浄消毒が必要な玩具はすぐに実行し、他の清潔な玩具と分けて保管する。

布と洗濯

・ 布・織物は空気、環境、人を汚染させないために、あまり揺らさない

・ ランドリーシュートを用いるときは、洗濯物からの飛沫が周囲を汚染しないようにする

安全な注射法

・ 滅菌注射器の汚染を防ぐために、無菌操作をする

・ 一つの注射器から多数の患者に薬剤を投与しない.

・ 注射針、カテーテル、注射器は再使用しない

・ 点滴セットは患者専用であり、使用後には廃棄する いったん点滴セットなどに使用された針や注射器は汚染されたと考える

・ 経静脈投与には、1回量バイアルを使用する 

・ 1回量バイアルを複数の患者に使用しない

・ 複数量バイアルを使用するときは、滅菌注射器・注射針を用いる

・ 複数量バイアルを救急領域で使用しない 汚染が疑われたら、すぐに廃棄する

・ 静注溶液のバッグやボトルを複数の患者への通常の供給ソースとしない

腰椎穿刺

・ 脊柱管・硬膜外腔にカテーテルを置いたり、注射したりするとき(脊髄造影、腰椎穿刺、脊髄・硬膜外麻酔など)は、サージカルマスクを着用する

職員の安全

・ 血液病原体への暴露から医療従事者を守るために、州と連邦の要求事項を遵守する

 

接触予防策

患者配置

・急性期病院では、個室に隔離する

・個室が少ないときは:

 伝播を促進する患者(排膿や失禁など)を優先する

 同じ病原体の場合は集団隔離する

 同じ病原体ではない患者がいる場合:

  (a)免疫不全者とは同室にしない。

  (b)ベッドを1m離す。 カーテン隔離する。

  (c)患者のケアごとにPPEを変え、手洗いをする

・長期療養型施設では、ケースバイケースで個室隔離を検討する

・診療所では、すぐにexamination room(診察室)に入れる

PPEの使用

手袋 患者の皮膚や患者近傍の器具に触るときは常に手袋を着用する。 病室に入るときに手袋を着用する。

ガウン 白衣が患者や汚染した環境表面、患者近傍の器具に直接接触すると予想されるときは、ガウンを着用する。 病室に入るときにガウンを着用する 病室を出る前にガウンを脱ぎ、手洗いをする。 ガウンを脱いだ後、白衣や皮膚が汚染していないか確認する

患者の移送

・急性期病院や療養型施設では、移送を制限する

・どうしても医学的に移送が必要なときは、感染部位を確実にカバーする

・移送前に汚染したPPEを廃棄し、手洗いをする

・移送中の患者の取り扱いのために、PPEを着用する

患者用器具

・患者用具は標準予防策に従って取り扱う

・急性期病院や療養型施設では、使い捨て非侵襲的用具を使用するか、器具を患者専用にする。複数患者による使用が必要なときは、使用前に洗浄消毒する

・在宅では、非使い捨て用具の使用を制限する 

・非侵襲的患者用具(聴診器など)を部屋に置いておけないときは、部屋から持ち出す前に洗浄消毒する。 汚染した再使用用具はビニール袋に入れ、あとで洗浄消毒する。

環境管理

接触予防策の部屋は優先的に洗浄消毒する(少なくとも1日1回) とくに頻繁に接触する表面(ベッド柵、サイドテーブル、床灯台、洗面台、ドアノブ)や患者近傍の器具。

飛沫予防策

患者隔離

・急性期病院では、個室に隔離する

・個室がないときは、咳や痰の多い患者を優先する(あとは、接触予防策と同じ)

・療養型施設では、ケースバイケースで個室隔離を検討する

・診療所では、すぐに診察室に入れる。 患者に咳エチケットに従うよう指導する。

PPE

・ 病室に入るときにマスクを着用する。

・ マスクに加えてゴーグルやフェイスシールドのルーチン使用は勧告されない

患者移送

・急性期病院では、移送を制限する。どうしても必要なときは、マスクを着用させ、咳エチケットに従う。患者を移送する人にマスクは必要ではない

空気予防策

患者隔離

・急性期病院・療養型施設では、空気感染隔離室(AIIR)に入れる。少なくとも1時間に6回から12回の換気を行う。院外排気、できないときはHEPAフィルターを通して戻す。毎日、スモークチューブなどで陰圧をチェックする。入退室時以外はドアを閉めておく。

AIIRがないときは、AIIRのある施設に転送する

・大量の患者が発生したとき:

 (a)代理個室の安全性について専門家に相談する

 (b)同じ病原体が考えられるときは集団隔離する

 (c)換気扇を使って陰圧を作り出す

診療所では:トリアージシステムを作る。すぐにAIIRに入れる。 AIIRがないときは患者にサージカルマスクを着用させ、診察室に入れる。患者が去った後は、1時間ほど部屋を空け、空気を入れ替える

職員の就業制限

・感受性のある職員が病室に入ることを制限する

PPEの使用

・部屋に入るときはN95マスクを着用する。麻疹や水痘に免疫のある職員が、麻疹、水痘、播種性帯状疱疹患者のケアをするとき、PPEの使用についての勧告はない。

患者の移送

・急性期病院では、移送を制限する。どうしても必要なときは、サージカルマスクを着用させ、咳エチケットに従う。皮膚病変・排膿病変はカバーする

暴露後対策

暴露事故後はすぐに免疫グロブリンを投与する。

 麻疹:暴露後72時間以内に麻疹ワクチンを打つ ワクチン禁忌の高リスク患者には6日以内に免疫グロブリンを投与する。

 水痘:暴露後120時間以内に水痘ワクチンを打つ ワクチン禁忌の高リスク患者には96時間以内に免疫グロブリンを投与する。

 天然痘:暴露後4日以内に天然痘ワクチンを打つ