世界のアビガン情報

2020.8.2より開始

2021.9.13 Efficacy and Safety of Favipiravir in Moderate COVID-19 Pneumonia Patients without Oxygen Therapy: A Randomized, Phase III Clinical Trial

日本で行われたファビピラビル治験(単盲検)が論文になりました。この治験は発症10日以内を対象としています。少し長すぎる気がします。すでに炎症期、サイトカインストーム期に入っている症例もあると思います。そうすると抗ウイルス剤には反応しません。

2021.6.14 Avigan maker Fujifilm faces China military risk to patent

中国がアビガンのコロナ治療薬としての特許を取ったことを心配している記事。どんな不都合がくるのでしょうか?

2020.4.20 薬剤師KoKo アビガンの作用機序~耐性がでにくいわけ~

すごくわかりやすかったです。ありがとう。

2021.5.15 白木公康【識者の眼】「アビガン治験は変異株に対応するため発症48時間以内を対象に」日本医事新報 No.5064 P.56

本文より
「私は昨年6月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対してインフルエンザのように早期に治療を開始し肺炎等を予防するファビピラビルの治験を富士フイルム古森会長に提案し、了解いただいた。しかし、それが実施されなかったのは残念であった。」
「ファビピラビルの治験は、既存の変異株あるいは新たな変異株に対応するためにも、インフルエンザのように神経細胞や血管内皮細胞等での増殖を最小限にできる発症48時間以内の成人を対象として、肺炎の重症化・死亡の予防と神経・血管内皮細胞障害による合併症またその後遺症予防を検証すると良いと思われる。」

2021.5.17 けいゆう病院・菅谷憲夫【寄稿】COVID-19の早期診断と早期治療を実現可能にする二手(後編)

本文より 
「筆者(菅谷)は2020年4月の『週刊日本医事新報』に、「COVID-19流行は日本の緊急事態であり、現状のままPCR検査も実施せずに、抗ウイルス薬治療もしないままであれば、いわゆる医療崩壊が起きて、多くの日本国民が死亡する危機が迫っている。高齢者やハイリスク患者では、ファビピラビル(商品名アビガン)による治療を早急に解禁すべきである」と書いた。それが実現しないままに1年経過し、大阪のような大都市で医療崩壊が起きた。」
「抗ウイルス薬は投与のタイミングが重要である。発症2日以内の早期投与であれば、ファビピラビルには一定の効果があるのではないかという意見を持つ臨床家は多い。ワクチン接種が遅れ、変異株流行に脅かされ、医療崩壊が危惧される日本では、今こそファビピラビルをCOVID-19治療薬として緊急承認し、発症早期から治療に用いることが望まれる。
ファビピラビルをインフルエンザ治療に使用する場合、ノイラミニダーゼ阻害薬と同様に「インフルエンザ様症状の発現後速やかに投与を開始すること」になる。ところが前述のように、COVID-19に対するファビピラビルの有効性についての日本での検討は、発症してから1週間前後での投与とタイミングが遅い。」
 「この原因の一つが、日本感染症学会の「薬物治療の考え方」(*その箇所を下記に引用)に示された指針にある。ここでは、「発症早期には抗ウイルス薬、そして徐々に悪化のみられる発症7日前後以降の中等症・重症の病態では抗炎症薬の投与が重要となる」との考え方を示しつつも、未承認薬の使用については治験のプロトコールに従う必要があるとし、現時点の参考基準として「中等症・重症の症例では薬物治療の開始を検討する」と明記している。つまりCOVID-19の薬物治療は、肺炎が進行し、酸素が必要な中等症以上になって初めて開始することになっている。
 しかし、抗ウイルス薬は早期治療が原則だ。指針は抗ウイルス薬の常識に反したものであると言わざるを得ない。ファビピラビル開発者の白木公康教授は、発症6時間以内の投与開始を推奨している。
 このような矛盾した指針になっている背景には、COVID-19流行当初に「風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いた場合に受診する」という目安が示されていた影響もあったと思われる。しかしこれもまた、何ら医学的な根拠がない目安である。」

(参考)日本感染症学会の「薬物治療の考え方」3. 抗ウイルス薬等の対象と開始のタイミング(文責:国立国際医療研究センター・藤田医科大学)

治験や臨床研究の枠組みの中での使用となる場合、そのプロトコールに従う必要がある。 対象・使用開始のタイミングに関して現在臨床試験にて評価が行われているが、現時点で は、以下を参考基準として提示する1-4)。
1. 酸素吸入・侵襲的人工呼吸器管理・体外式膜型人工肺(ECMO)をする低酸素血症、 酸素飽和度94%(室内気)以下、等の症例では薬物治療の開始を検討する。
2. 高齢(およそ60歳以上)・糖尿病・心血管疾患・慢性肺疾患・悪性腫瘍、喫煙による 慢性閉塞性肺疾患、免疫抑制状態等のある患者においては、特に重症化や死亡のリス クが高いため慎重な経過観察を行いながら開始時期につき検討する。
3. 無症状者や低酸素血症を伴わない軽症者では薬物治療は推奨しない。 ➡この1行が何人の患者さんを死なせただろうか。

2021.4.1 新しい情報ではありませんが、疾患別アビガン投与量のまとめです。

                            
疾患名初日投与量 2日目以降の投与量全投与日数 全投与量
インフルエンザ 1回1600mgを2回5日目まで1回600mgを1日2回 5日間 8000㎎
コロナ 1回1800mgを2回14日目まで1回800mgを1日2回 14日間 24400㎎
エボラ 初回2400㎎
8時間後2400㎎
16時間後1200㎎
(合計6g)
10日目まで1回1200mgを1日2回 10日間 27600㎎

引用文献 インフルエンザ コロナ エボラ(Methods>Trial Treatmentに用法用量の記載あり)

開発者の白木先生はエボラの投与量(6~9g/日)を使ってほしいと言っておられます。

2021.3.24 Avifavir received the first marketing authorization in Asia

ロシアで初めて認可されたファビピラビルのジェネリック、アビファビルがインドネシアで承認された。
臨床試験ではウイルス陰性化の中央値が標準治療では9日、アビファビルでは4日。アビファビルの有効率80%、また安全性も証明された。

2021.1.27 Dr Reddy’s, GRA terminate Avigan study n hospitalised Covid cases in Kuwait

クウェートでの入院患者の治験。早期投与では有効であったが、中等度~重症例の後期投与では効果がなかった。
The sub group analysis data during the initial interim analysis points towards the hypothesis with clinically significant insights from this study that an antiviral drug like Avigan may be effective as part of early treatment initiation in Covid-19 patients and not effective in the late-stage hospital treatment for moderate and severe Covid 19 patients, said the release.

2020.7.14 RDIF and ChemRar Group of Companies began deliveries of Avifavir to Brazil

ロシア、ブラジルにアビガンの輸出開始。ブラジルの製薬会社Axis BioTec(リオデジャネイロ)と Avifavir(アビガンのジェネリック)の供給について提携。

2020.6.2 Russia backing Avifavir to treat Covid-19 good news for India: Scientists

ロシアのアビガン承認はインドにも追い風になった。

aviganは, bunyavirus, filovirus,arenavirusにも有効である。

bunyavirus→California encephalitis,Hantavirus Pulmonary Syndrome,Crimean Congo hemorrhagic fever,Severe fever with thrombocytopenia syndrome
filovirus→Ebola hemorrhagic fever,Marburg disease
arenavirus→Lassa fever